2014年11月21日

第6回中四国大会レポート4高学年

小学生高学年型の部

前回の山口市で開催された中四国大会の高学年の部では、準々決勝から決勝戦の7試合すべてが主審判定という凄まじい戦いが繰り広げられた小学生高学年型の部だが、今回はどうか?前回は宮島口支部の大杉幸蒔が優勝、荘川光葉が3位と素晴らしい成績を挙げた。今回も光葉の弟、悠晟を筆頭に廿日市、宮島口から5名の精鋭がエントリーした、低学年に比べれば少ないが全員茶帯以上の実力者だ。
しかし全国大会と同じく、エントリー人数が最も多く、勝つのが難しい高学年の部。さすがに苦戦を強いられベスト8には安芸地区本部からは荘川悠晟(宮島口)1名しか残ることができなかった。
悠晟は春の地区大会を制して、6月の昇段審査で少年初段になった。しかし私の自分ルールでは、小学生の黒帯はあくまで特例であり、全国大会か中四国大会で入賞した経験がないと昇段させないとしていた。しかし悠晟は毎日のように練習し、誰よりも頑張っており実力もめきめきとつけて、全国大会の入賞者に匹敵する実力をつけたと判断して昇段を許した経緯がある。また私の中でも今年の全国大会で少なくとも入賞し、悠晟がそれを証明してくれると思っていた。賞状が取れなかったら黒帯は返上とまで言って過激なハッパをかけていた。
しかし全国大会ではコート決勝で無念の敗退。誰よりも努力していただけに本人が一番悔しかっただろう。
9月の錬成大会では後輩の田中悠介を退けて春秋連覇を果たした。ここでは一本も旗を上げさせずに優勝するという目標をたてていたようだが、達成できず優勝したにも関わらず悔しがっていた。
前置きが長くなったが、唯一勝ち残ったベスト8。負けられないプレッシャーはあるが、落ち着いた半月を演武して準々決勝を突破。準決勝から指定型は鎮東に変わるが、これも彼は得意としており、普段より高い天井蹴りも見せて快勝。危なげなく決勝戦への進出を決めた。第2シードに推された実力が間違っていなかったことを証明した。
ついにメジャー大会の決勝戦に立った悠晟。仲間から一段と大きな声援が飛ぶ。決勝戦はI田日葉里(広島地区・本部舘道場)との対戦。ノーシードから勝ち上がってきた好選手。準々決勝のY田駿一(鳥取)との試合は際どかったがいい試合だった。
悠晟も決勝戦のスポンジマットは初体験だった。途中滑ったそうだが、大崩れせず周りからはそうは見えなかった。見歳よりは対応していたようで、用心しながらも大胆な鎮東を披露して演武を終えた。相手のI田さんもミスなく演武を終えた。
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判定旗はさっと悠晟に上がり、前回の先輩、大杉幸蒔に続き、見事宮島口支部2連覇となる中四国の頂点に立った。前回の大杉幸蒔は苦しみ抜いての優勝だったが、今回の悠晟は安定した戦いぶりで勝ち抜いた印象が強い。
全国大会では悔しい思いをしたが、今大会では実力をいかんなく発揮し、またそれが十分評価されて最高の結果を得ることができた。
実は大会直前には、またも入賞できなかったら黒帯は剥奪!と脅し?をかけていたが、見事半端ないプレッシャーをはねのけての優勝。黒帯として十分な実力があることを自ら証明してみせた。
宮島口支部の主将として、見歳とともに決勝戦で戦う姿、表彰式の壇上で宗家先生から直接賞状を手渡される姿を、多くの後輩たちに見せることができたのは、後に続く者たちに、大きな勇気を与えたのではないだろうか?指導者として二人には感謝しなければならないだろう。
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第6回中四国大会レポート3低学年

小学生低学年型の部

今大会最も多くの選手を送り込んだのが低学年の部。全国大会に出場した宮島口支部の5名を筆頭に青帯の1年生から全国大会に出場していない選手も数多く出場し、廿日市、宮島口合わせて14名がエントリー。遠方にも関わらず、本人のチャレンジ精神はもちろん、家族の協力にも頭が下がる。
さすがに幼年の部のように全員初戦突破というわけにはいかなかったが、それでも10名が初戦を突破。他地区の師範からも廿日市の選手が、宮島口の選手がよかったという声を多数聞いた。
全国大会敢闘賞の菅桜子が序盤で敗退するという波乱はあったが、全国大会でも後半戦となるベスト16に進出した荘川見歳、田中淳介(宮島口)、大島優輝(宇品)の3名がベスト8に進出した。この3名の安定感はさすがである。
全国大会3位で第1シードに推された荘川見歳は他地区の師範が注目するほどの存在。序盤戦でも非凡な型を披露して、周囲から称賛の声も上がっていた。準々決勝では同門の田中淳介との対戦となった。淳介は見歳に勝ったこともある強豪で、安定感がある。全国大会では惜しくも準優勝した選手に敗れ、あと一歩のところで入賞を逃したが実力的には見歳とほぼ互角だろう。
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試合は見ていないが、副審の旗が2対2で割れるスプリットデシジョンとなり、主審判定の末、見歳が勝利した。
練習からそうだったが、二人の型は本当に甲乙つけがたい。これからもライバル物語は続いていくだろう。
忘れてはいけないもう一人、大島優輝(宇品)も勝ち残っている。昨年2年生ながら全国大会で敢闘賞を受賞している。昨年までは見歳を押さえてずっとこの学年でトップを張っていた。今年の全国大会も入賞は直前で逃したが、後半戦のベスト16まで勝ち上がっており、安定感はさすがである。
対戦相手は見歳とともに全国大会で3位に食い込んでいるM村龍平君(広島地区・福山)。この上ない強敵だ。
これも試合は見ていないが、大島優輝も健闘したものの、惜しくも敗れて敢闘賞となった。
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見歳は次の準決勝も勝利して決勝に進出した。
決勝の相手は順当にというか、予想通りというか、福山支部のM村君となった。全国大会3位同士の対戦。決勝戦の中でも屈指の好カードだ。
M村君の型は初めて見たが、かつての組手強豪のW坂師範の愛弟子だけあって、基本の出来た完成度の高い半月を披露した。
対する見歳は、なれないマット上での演武でかなりとまどっている印象。私も経験があるが、決勝戦で使用されるスポンジマットは、非常に滑りやすく、普段足音が大きい選手はあっという間に転倒してしまうだろう。以前、拳友時報にも書いてあったが、枯れ葉の上でも音をさせずに半月を演武できる技量が必要だろう。「ハイパー見歳」とも形容される大舞台で見せる覚醒状態には至ってないように見えた。
正直厳しいかとも思えたが、慣れない環境ながらも、バランスを崩したりなどの大きなミスはすることなく、見歳も演武を終えた。
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相手のM村君もミスなく演武を終え、接戦が予想された。副審の旗は予想通り2対2と割れる。息を飲んで主審の動向を見守る応援席。主審の手は見歳に上がり、しびれるような接戦を制し、見歳が優勝を飾った。
私の教え子としては中四国大会の低学年で初の優勝。これまでは敢闘賞が最高だった。安芸地区本部としても3位が最高成績だったはず。低学年で全国に通用する選手を育成することの難しさは、各指導者が痛感していることだと思うが、今の低学年世代の教え子には本当に恵まれている。お互いが良い意味でのライバル関係を築いており、相乗効果を生んでいる。3年生に続く2年生、1年生も育っている。これからが楽しみだ。
しかし繰り返すようだが、本当にきわどい勝負だった。それぐらいM村君の実力は本物だった。この二人でも決勝に残れないぐらい、今年の全国大会低学年はハイレベルだったということ。今大会のベストバウトと言えるぐらいの好勝負だった。来年からは高学年となるが、ライバル関係はこれからも永く続くだろう。
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2014年11月19日

第6回中四国大会レポート2幼年型の部

全国大会では実施されない幼年クラスなので、我々にとっては中四国大会が幼年最高峰の舞台である。とはいっても中四国大会の幼年の部は非常にレベルが高く、これまで安芸地区本部が制したことはなく、準優勝が二度、いつもは3位に食い込めればよいほうという状態である。
そもそも参加選手を揃えるのもひと苦労で、安芸地区本部の大会にも10名ほどしか参加していない。遠距離、長時間にわたる大会に幼児が出場しにくいのは無理もない。
それでも廿日市支部、宮島口支部から合わせて4名が参加してくれた。特に宮島口支部の3名は年中児である。
さて試合のほうだが、序盤戦は拳手法、準決勝からは南光で争われる。年中白帯の二人には南光を教えていない。
それでも年中児3名は島田陽登(はると)、松田蘭愛(らな)、細川晋ノ介(しんのすけ)の順に登場。次々に素晴らしい拳手法を披露して、なんと全員が初戦を突破した。各地区選りすぐりの幼年たちの中で快挙ではないだろうか?
第2シードに推された大山惺(せい)も初戦を突破して、全員が初戦突破という私の野望を、少なくとも幼年の部では果たしてくれた。
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島田陽登と松田蘭愛は残念ながら2回戦は惜しくも破れた。
松田蘭愛の相手は第1シードで結果的に優勝した子だったが、ほぼ互角だったと思う。まあ勝っても南光を教えていないので、決勝進出はできないのだが。二人とも将来大物になれそうな逸材である。
細川晋ノ介は2回戦も快勝して大山惺とともにベスト8進出。二人が入賞をかけて対戦することになった。
準々決勝は見ることができなかったが、大山惺が年長の意地を見せて勝利。春の地区大会準優勝に続いて入賞を決定した。二人は三大会連続での対戦となり、これで惺の2勝1敗。
続く準決勝はやや苦手としているというより、まだ習って間がない南光。快進撃もここまでとなったが、嬉しい3位入賞となった。

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大きな大会での入賞は自信になったに違いない。小学生となる来年以降にも大きな飛躍を期待したい。
惜しくも錬成大会優勝に続く入賞はならなかったが、細川晋ノ介は年中ながら優勝するかも?という期待を持たせてくれた逸材だった。年長となる来年に中四国大会がないのは残念だが、ハルト、ラナとともにもっと大きな舞台での活躍が期待できる。
優勝したのはF井菜々(広島地区・西条プラザ)。現役時代に私としのぎを削った若手師範であるE川師範の愛弟子。指導者同士としてもライバル関係は続いていきそうだ。
posted by ファイヤーマン at 22:16| Comment(0) | 大会レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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