近年はエントリーが少なく、いつも存続の危機に立たされている種目だが、今回は10名のエントリーがあり、なんとか伝統は守られた。
少人数ではあるが、年端もいかない幼子が一生懸命がんばる姿は非常に愛らしく、人気の高いクラスである。
地元からは宮島口支部の2名と廿日市支部の1名がエントリーした。宮島口支部の二人は昨年の中四国大会に年中ながらチャレンジし、しかもふたりとも初戦を突破している。細川 晋ノ介のほうはベスト 8まで勝ち上がっており、昨年秋の錬成大会では優勝している。島田陽登は3年生の兄、啓太に引っ張られて成長している。入門当初はかなり頼りなかったが、今では幼年の立派な主力だ。
このクラスでは別格ともいえた二人が順当に決勝に進出。いつもは同じ保育園に通う同級生だが、優勝がかかると二人とも本気。火花が出るような拳手法を披露して好試合となった。
結果は地力に勝る晋ノ介が快勝、錬成大会に続き連覇を果たした。
晋ノ介は年少時に入門したときからやる気は人一倍、こつこつと努力を積み重ねてきた。来年はいよいよ小学生となる。上級生たちと比べても遜色ない実力を持っているので、期待したい。
島田陽登も入門時に比べたら格段の成長。まだ練習では甘い部分もあるが、幼年なので当たり前か?成長とともにやる気も急上昇しているので、同じく小学生となる来年以降が大いに楽しみだ。
小学生低学年型の部
59名がエントリーした最激戦区。地元からも21名がエントリーしている。
1,2年生で争われた昨年秋の錬成大会でベスト4に進出した4名が順当にベスト4に進出。宮島口支部の小林莉緒、島田啓太、荘川知南が含まれている。
錬成大会を制して第1シードに推された小林莉緒は準決勝で妹分の荘川知南を破って順当に決勝進出。もう1試合は錬成大会準優勝の藤原伊吹(Aシティ)に島田啓太が挑んだ好カード。錬成大会準決勝では指定型汪輯で藤原伊吹が勝ったが、同日の団体戦では島田啓太が指定型半月でリベンジしている。
この日の準決勝の指定型は汪輯で、半月が得意な島田啓太が若干不利かと思われたが、半年の成長は想像以上。強豪を下して学年別初の決勝進出を果たした。
3位決定戦は藤原伊吹が快勝したが、敢闘賞の荘川知南も健闘。ベスト4唯一の2年生だが、3位決定戦では旗を1本上げるなど、トップ3に迫る実力をつけつつある。姉貴分の小林莉緒の後釜を十分担えるだろう。
決勝戦は宮島口支部でも進境著しいO野学園軍団のトップ2の対戦。小林莉緒は幼年の頃から活躍してきた強豪、対する島田啓太は昨年まで入賞経験がなかったもののここ1年ほどで急成長し、今では誰もが認める低学年の雄である。
女子らしく優美な莉緒、男子らしく俊敏な啓太とタイプのまったく違う二人の好勝負となった。僅差となったが、莉緒が辛勝し錬成大会に続き連覇を果たした。
勝敗を分けたのは若干ではあるが大舞台の経験を積んでいたことか?練習でも素晴らしい演武を披露するが、莉緒の本番での強さは目を見張るものがある。気迫や顔の表情などは低学年とは思えない。上級生も見習うべき。
惜敗を喫したが、啓太はまだまだ伸びしろがある。課題が改善できれば国際大会でも好成績を残せる実力は十分と言える。