この種目は1チーム3名ずつが一人ずつ戦う団体戦。先鋒は黄帯までで指定型は南光、中堅は緑帯までで半月、大将は茶帯までで鎮東。中学生の出場も認められている。かつては7人で争っていたころもあったが、昨年からは3人チームで行われており、1試合の重要性が非常に高くなっている。
この種目はプログラムに掲載されている過去7年間のうち、宮島口支部が3度、廿日市支部が2度優勝しており、地元勢が非常に強い。底辺からトップまでまんべんなく育成がいきわたっている証拠だろう。昨年は宮島口支部が優勝しており、2連覇を目指す。今年は全国大会に出場した田中悠介をキャプテンに、全国大会でコート決勝まで進んだ島田啓太と末吉奏仁の3人でチームを組んだ。廿日市支部は直前にキャプテンの三角圭吾が運動会の練習で骨折し、無念の欠場。宮島口支部から助っ人の荘川見歳が急きょ入り、井上晄輔と大山友雅の3人で編成した。
廿日市支部は初戦でA-city支部に敗れた。全国選手である藤原兄弟と黄帯としては無双の押山水咲で編成したかなりの強豪だ。大将の荘川見歳が主審判定の僅差ながら勝利する殊勲はあげたが、2対1で敗れた。
宮島口支部は準決勝から登場。広島支部を破って勝ち上がった中央支部に苦戦。大将戦にもつれ込みしかも主審判定。からくも勝利して決勝へとコマを進めた。
A-city支部との決勝となり、まずは先鋒戦に末吉奏仁が挑む。相手は中学生の押山水咲。拳歴1年ほどながら中学生で、黄帯ながら午前中の個人戦では茶帯とほぼ互角の勝負をしていた。黄帯ではまさに無双状態で、末吉奏仁も健闘したが、先制を許してしまった。
3人制なので、一敗イコール相手に王手をかけられたということ。しかも中堅戦の相手は低学年の部で決勝に進出しており、春の地区大会では3年生を押しのけて準優勝を果たしている藤原伊吹。宮島口中堅の島田啓太は午前中の低学年準決勝で敗れている。宮島口支部は絶体絶命のピンチだ。
午前中は汪輯で敗れているが、今回は半月での対戦。島田啓太は半月を最も得意としているので、そこに望みを託したい。一同が見守る中演武は終了。判定は島田啓太に上がりタイに持ち込み、応援席はこの日一番の盛り上がりを見せた。
運命の大将戦に田中悠介が挑む。こんなに異様な雰囲気の中試合をするのは初めての経験だろう。相手は春の地区大会鎮東の部決勝で苦杯を舐めている上級生、藤原光希。がんばった下級生の末吉奏仁、島田啓太のためにもぜがひとも勝ちたいだろう。
しびれる試合を制したのは、宮島口支部の田中悠介。2連覇濃厚と言われながら、厳しい試合を立て続けに制して2連覇を達成した。たてつづけに接戦をものにした田中悠介は精神的にも大きく成長したに違いない。またとない経験を積むことができた。
個人戦の学年別では圧勝と言える結果を残した宮島口支部だが、団体戦は薄氷の勝利だった。一歩誤れば逆の結果になってもおかしくない。この結果に慢心せず、努力を怠らないことだろう。

少年部団体戦優勝 末吉奏仁(宮島口) 小学3年生 7級
優勝歴:H25錬成大会拳手法
好きなこと:野球 好きな言葉:1番
入賞の感想:また団体戦に出たい︎