2012年08月10日

全国大会小学生高学年型の部準優勝 O杉幸蒔君の紹介

先週日曜日の8月5日に岡山市で開催された少林寺流錬心舘全国空手道選手権大会において、わが廿日市支部と宮島口支部から入賞者が2名出て、安芸地区本部と修道大学から優勝1名を含む5名が入賞するなど、近年にない活躍をみせた大会だった。

今日はその中でも266名の最激戦区の中で準優勝と殊勲賞とも言える活躍を見せた宮島口支部のO杉幸蒔君を紹介したい。
O杉幸蒔君は廿日市市立大野東小学校6年生で宮島口支部に妹の幸穂(3年)とともに通っている。宮島口支部では6年生ということで今年度は主将を務めている。
幼稚園年中の終わりごろに入門して拳歴は6年少々。最初に出場した錬成大会では個人戦、団体戦合わせて5連敗と今の彼からは考えられない試合デビューだったが、そこで終わらなかったのが彼の凄いところ。5ヶ月後の地区大会では見事に幼年の部で優勝を飾り、小学生になってすぐの錬成大会では低学年の部でベスト8い食い込み、その年の全国大会に初出場を果たし今年まで6年連続で出場している。
初めて出場した2007年福岡での全国大会で彼が慕うI見光起(広島中央)が優勝を果たしたのを目の当たりしたのも今回の活躍につながっているのではないだろうか?
2年生の時に広島サンプラザで開催された中四国大会では上級生に混じってベスト8に進出。準々決勝では相手にアクシデントがあり、勝利間違いなしと思われたが敗れるという悲運にも見舞われたものの堂々の入賞。翌年横浜市での全国大会では初めてのベスト8入り。準々決勝では主審判定で敗れたが見事に宮島口支部初となる全国大会入賞を果たした。
高学年になり安芸地区の大会では常に優勝争いを繰り広げていたが、これまで全国で活躍してきた安芸地区本部少年部の先輩たちに共通していた同学年のライバルの存在(M嶋諒太郎とY手ちはる、S田奨真とM嶋優樹、I見光起とM嶋響など)が彼には欠けていた。しかし4年ごろから盟友のS川光葉(宮島口)が力をつけてきて4年秋の錬成大会では二人が決勝を争い、1年後の5年時の錬成大会では準決勝でついに光葉が初めて幸蒔を破って優勝を果たし、彼のライバルとして名乗りを挙げてきた。
練習で抜群の集中力を誇る光葉というライバルを得て、まさに相乗効果というのだろうか?二人ともメキメキと実力をつけてきて今春の地区大会では決勝で対戦し、幸蒔がリベンジを果たしたが素晴らしい試合だった。
全国大会の1か月前には2年連続となる新門司支部への出稽古に行き、H本先生の指導も受け、活気ある新門司支部の子供たちからも大いに刺激を受けたようだ。
全国大会直前の昇段審査では少年初段を受験、1級を取得して2年間の修行が実り、ついに念願の黒帯を締める。
そして迎えた小学生最後の全国大会、妹の幸穂も錬成大会低学年の部を制して初めてのきょうだい揃っての全国大会となった。
ライバルの光葉も幸蒔を超える練習量で充実しており、私も「二人で決勝を戦え!」とハッパをかけた。大会3週間前に届いた大会の組み合わせでは、幸蒔が第1シード、光葉が第2シードと序盤で当たる厳しいトーナメントとなったが、「チャンピオンを目指しているんだから、誰と当たっても同じ」と二人にはさらにハッパをかけた。
しかし光葉は初戦でまさかの主審判定で敗れた。私を含め指導陣の目前だった。私の目算は早くも崩れてしまったが、気を取り直して他の選手の試合を見るために他のコートに目を移した。
幸蒔は順調に勝ちすすでいたが、ゼッケン1番のF君は初戦で敗退する波乱があったようだ。これだから全国大会はわからない。4回戦では指定型の誤りで型を1回多く打たなくてはならないアクシデントに見舞われたが彼は動じない。座禅の効果か?結果ベスト8をかけた6回戦までほぼ休憩なしで4回連続で型を打つハメになったが、スタミナ切れをおこすことはなかった。毎週土曜日の練習後に1500m走タイムトライアルを続けてきた成果だろう。
3回戦では新門司支部のエース、O橋虎次郎君と対戦。4対0のストレートではあったが、結果準決勝まででは一番の接戦だったように思う。まだ4年生の虎次郎君は来年以降優勝争いに絡んでくるのは間違いない!
途中1本旗を挙げられることはあったが、主審判定にもつれこむことなく危なげない試合運びで、3年時以来のベスト8進出を果たし入賞が決定した。
他のコートでも尊敬する兄貴分、中学生のI見光起(広島中央)や高校生のM嶋優樹(廿日市)など一緒に練習する仲間がベスト8進出を果たしていた。この3人は幸蒔が敢闘賞を受賞した横浜での全国大会でも揃って入賞を果たしている。
いよいよ迎えた準々決勝の大一番、3年の時には主審判定で敗れているので力が入る。私も両親や少年部たちとともに見守る。
準々決勝、準決勝と落ち着いた半月の演武を見せともに3対1の快勝。これまで廿日市支部の宮嶋兄弟がともに3位になったことはあったが、先輩たちの記録を抜く決勝のセンターコートへ立つことが決定した。
安芸地区本部ではこれまで2010年の国際親善大会においてI見光起が優勝を果たしたことはあるが、全国大会では初の快挙。応援席は周りに迷惑なぐらい盛り上がった。私も正直我を失っていた。
しかし準決勝までの彼は非常に落ち着いた演武を見せ、危なげない勝ち方を続けていた。本当に成長したものだ。5連敗デビューが嘘のよう?
広島宇品支部の高校生、S田奨真とともに立つ決勝のセンターコート。私も1995年の廿日市支部開設以来、2003年に低学年の部では宮島口支部のM嶋諒太郎が優勝したことはあったが、高学年では初めて門下生を決勝に送りこむことができた。
決勝前の練習ではさすがにナーバスになっていた幸蒔に、「とにかく思い切ってやってこい、そして決勝戦の舞台を楽しんで来い」となでしこジャパンの佐々木監督の言葉をアレンジした言葉で送り出した。
決勝戦の指定型は鎮東。対戦相手は猛練習で有名な河内地区本部枚方支部のT村君。師匠のF岡師範が隣に来て戦況を見守っている。F岡師範はこれまで5回型の決勝戦に門下生を送り込んできたが、すべて準優勝に終わっており、これが6度目の正直なのだそう。
全国大会の決勝戦はブルーのスポンジマットの上で行われる。これがなかなかのクセモノで私も経験があるが、板の間とは全く感触が違う。かつて中四国大会の前日にM嶋優樹に大会準備の会場で予行演習させたことはあったが、今回はまさかの決勝進出というわけではないが、決勝戦の予行演習はしていなかった。
鎮東の序盤で幸蒔はマットに足を取られ若干バランスを崩してしまう。しかしミスを最小限に食い止め、後半は懸命に挽回して見事な鎮東を披露した。
両者型を終え、運命の判定。副審の旗はなんと2対2のスプリットデシジョン!。主審の宗家先生の手は・・・
無念にも相手の田村君の頭上に挙がり、幸蒔の挑戦は最後に敗北という形で幕を下ろした。
しかしミスに動じることなく、主審判定にまで挽回した幸蒔の戦いぶりは立派というほかなかった。私に夢を見させてくれた彼には本当に感謝である。
大会前には優勝させるつもりで練習してきたつもりだが、本当にここまでやってくれるとはたいしたものである。彼の活躍は彼を支えてきた家族の絆なしではなしえなかっただろう。彼の両親は心から彼だけでなく、宮島口支部や廿日市支部の子供たちをバックアップし子供たちの精神的支柱のような存在だった。妹の幸穂も兄を慕い、兄の活躍を自分のことのように誇りに思ったに違いない。
また仲間たちの存在も忘れてはならないだろう。よき目標として彼の前を走り続けた光起や彼のライバルとして台頭した光葉の存在なくしては彼の快挙はなかったに違いない。幼少時に指導したM嶋兄弟らもさぞかし彼の活躍に目を細めていることだろう。
私にここまで夢を見させてくれたO杉家には感謝してもしきれない。しかし悲願である優勝に半歩届かなかったのも事実である。光葉も今後もだまってはいまい。9月の錬成大会、11月の中四国大会も控えている。来年は光起が待ち構える中学生の部への挑戦である。来年の全国大会は光起VS幸蒔の決勝だ!と二人にさっそくハッパをかけた。とてつもない大風呂敷だが、私もともにかれらとどこまでも続くチャレンジを続けていきたいと思う。P1020584.JPG
posted by ファイヤーマン at 22:52| Comment(0) | 門下生紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月08日

全国大会結果

安芸地区本部関係分
高校男子型の部優勝 S田奨真(宇品)
同三位 M嶋優樹(廿日市)
小学生高学年型の部 準優勝 O杉幸蒔(宮島口)
中学生型の部敢闘賞 I見光起(広島中央)
一般男子型の部第三位  M本大夢(修道大学)

広島勢大活躍でした!
posted by ファイヤーマン at 07:52| Comment(0) | 空手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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